日本の食料自給率について

よく日本の食料自給率は40%だの、いやいやそれはカロリーベースでの数字だから生産額ベースでは70%あるだのと色々と言われているが、実際はどうなんだろう?

農作物を生産する為にはトラクターをはじめ、様々な機械を使うのが今の農業だが、よくよく考えてみるとそれらを動かしているのは石油ではなかろうか? 日本の石油の自給率は2008年で0.15%。また、三大肥料と言われている窒素、リン酸、カリウムのそれぞれの自給率は平成12年度のデータで125%、37%、4%となっている。

はて、この状況で日本の食料自給率は40%(70%なのか、どっちでもいい)と言えるだろうか? 唯一自給率が100%を超えている窒素質肥料だけで、作物は育つのか? つまり、実際の日本の食料自給率は、完全自然農法を除けば1%もないという事ではないだろうか。

農作物以外では、例えば鶏卵は95%と発表されているが、ニワトリの餌である配合飼料はそのほとんどが輸入で、それを考慮すると10%にも満たない。他の家畜についても、同じ様な事が言えるだろう。では、海に囲まれている日本なのだから「魚は大丈夫だろう!」と思うかもしれないが、漁船も残念な事に石油がないとただの「浮いている物」だ。ある意味では手漕ぎボート以下の存在になってしまう。

なんだかんだで様々な統計がなされているが、つまる所、石油がなければ食べ物がなくなるというのがこの国の実体ではなかろうか。

昔は肥だめがあり、人間の糞尿は肥料という形で土に還元され、それなりのサイクルにあったはずだ。しかし今は、人間は食べ物になるものへの貢献を何一つしていない。消費オンリーだ。これを「文明」やら「技術力」やら「科学」というのならば、なんというショボいものだろう。解決するために色んな論議をするのはいいが、実際の問題は根底にある、もっと本質的なものを見ないと解決しないんじゃないかな。

きっと実際の日本の食料自給率は、今のやり方では1%にも満たないだろうね。

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