日本の奨学金制度

TVのニュースで、日本の奨学金についての色々な問題を取り上げていた。

この不景気で奨学金の返納が滞っていたりする問題。日本全国で約2,200億円もあり、大阪の橋下府知事が50億円の未返納の奨学金について、色々な対策を始めるそうだ。

現役の大学生が「1,000万円以上の返済が卒業後に待っている。毎月5万円以上を20年も返済しなければならないのがプレッシャー。」と、そのテ レビのインタビューで答えていた。またもう一人は「奨学金を英語に訳すとScholarshipだけど、日本の奨学金システムだとLoanになる」と言 い、アメリカと日本の奨学金制度の違いを取り上げていた。

実際、自分も奨学金を得て勉強させてもらった訳だけど、それはScholarship、返済しなくていいものだ。しかし、これがもし卒業後に返済しなければならないとなれば、自分は果たして勉強できただろうかと考えてしまう。

アメリカ等の場合は、資産家や卒業生などで経済が豊かな人達が大学に寄付し、それを奨学金として勉強したい人達へ回すという、好循環があると思う。 しかし今の日本のシステムでは、金がないけど勉強がしたいという人達は、結局は自分で「借金」をして勉強をしなければならない。結局、卒業後にそこで得た 知識や経験を活かしていい仕事をしたとしても、多くの金額を返済することになり、一向に楽にならない仕組みなのかと思う。結局上にいる誰かが儲けているん だろうと思うが。

もちろん中には「自分の金で勉強し、借りたものを返済するのは当たり前だ。返さなくていいとなれば、勉強したり仕事に対する考えが甘くなる」と考え る方もいるだろうが、自分はそうは思わない。実際、返済義務のない奨学金制度では更新は厳しいし、いい成績や実績を残していないと、すぐに減額や取り消し になる。当たり前の事が当たり前の様に行われているから、勉強したい人達にとって良い環境ができ、世界中から色々な人が集まってくるのだと思う。

返済することそのものに反対とは思わないが、全員が全員良い企業に就職できたり、起業して成功する訳ではない。普通の暮らしで1,000万円を住宅 以外に返済していくのは、並大抵の事ではないと思う。「勉強させてやっただろう、だからちゃん働いてと返せ」というばかりで、優秀な人材がいつまでもこの 国の為に頑張ろうと、果たして思えるだろうか?

新しいアイディアや面白い発想というのは、もっと懐が深い環境で出てくるものだと思う。金がないけど勉強したい、そして可能性がある人達はこの国にももっといるはずだ。そしてその人達がのびのびと勉強できる環境があったとするなら、きっともっと面白い事ができると思うんだけどな。

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